5ヶ月の空白を振り返る(4)
ノックアウト。
3月初旬、職場に行けなくなった。
その日の朝に行けない、ベッドから出られない、体が動かない、という状態というわけでもなかったが、もう、心がポッキリ折れたのだ。職場に行くことが恐怖にしか思えなかった。
その前日、あからさまにお局から怒鳴られたり、睨まれたりしていた。言い方も私にだけキツく、さらに他の社員さんからもキツく当たられた。これが1ヶ月くらい前のことだったら、なんとか乗り越えられたかもしれない。でも、この時、気持ちの行き場がなかった。
ジャブを繰り返し受け、右フック、そして左フックを受け、そして、KO。
ボクシングの例えでなければ、こう言う感じだ。
木が生えていて、下の方を徐々に削っていく。
同じ箇所を何回も何回も360度削っていくと、そこだけ細くなっていく。
他の部分は健康で生き生きと葉を繁らせているが、足元の部分は細っそりしていく。
少しずつのはずが、もう、小指くらいの細さになる。
そして、ついにポキッと折れてしまった。
そんな感じだ。
行きたくないのではなく、行きたいのに行けない。
私「すみません、今日、体調が悪いので休みます」
社長「そうですか、わかりました。では言っておきます」
電話を切ろうとした社長に、
「あと、すいません!もう、行けないんです」
「もう、足が向かないんです」
と、その日の朝、電話越しに社長に言った。
「すみません、限界です。辞めさせていただきたいと思います」
そう言って、電話を切った。
体調が悪いのは本当のことで、生理痛だった。
生理痛の時は、精神的にも鬱々とするのだが、そのせいだけではなかった。
その鬱々とした精神状態が、本心を引き出してくれて、危機的状況から救ってくれたのかもしれないと今になって思う。