だいたいのことはひとりでも楽しい

一番大切にしていることは「精神衛生」です。

出産しない女たち [m]otherhood 〜書き起こし〜 1/3

以前、このブログにも書いたことがある「母性本能がない」という内容に関連して、たまたま録画したドキュメンタリー番組が、それに関連して興味深かったので記録しておくことにしました。

 

他の、同じような「出産しない女たち」が、もしこの番組を見たかったのに見逃していたとしたら、文字だけではありますがご覧ください。

ただ、読んで、気分が悪くなる、精神が不安定になる、ということもあるかもしれないので、留意していただきたいと思います。

 

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出産しない女たち  [m]otherhood 

制作 SUICAfilms/A Media(スペイン 2018年)

NHK-Eテレ 2022107日(金)23時放送

 

ーーー ケイトのステージ。観客から歓声 ーーー

 

【今日のテーマは「子供は欲しくない」です】

 

 

子供は欲しくないと、ずっと思っていたわけじゃありません。

欲しいと思ったことが一度もなかっただけ。

この違い分かります?

 

ーーー ケイトのステージ ーーー

 

現代に生まれてラッキーだったと思います

100年前に生まれていたら

私の選択肢は たぶん2つだけ

「森の奥のお菓子の家で寂しく暮らすおばあさん」か「修道女」

 

修道女になっていたら悲惨でした

まず 早起きが苦手

 

ー 会場 笑

 

神様を信じてない

神父さんに弱い

 

ー ケイト語り

生きていて、本当に良かったと思います。

長い間、自分の中に信念を見出すことができなかったんです。

私はここにいていいんだ、この世界に存在していていいんだと思えるようになるまで

ずいぶん時間がかかりました。

 

 

|子供がいない女性|

 

 ケイト(コメディアン/詩人)

 

女性に求められる大きな役割の一つが 母親 です。

面倒見が良くて 子供がいることを幸せだと思う母親。

これは母親にとって 大変なプレッシャーです。

同時に、母親になりたくない女性にとってもプレシャーになっています。

母親にならないと 女性として劣っていて 不自然で 愛情が足りなくて 感じも良くない。

いい人間とは言えず、社会への貢献も足りないと思われます。

女性として生まれたことを無駄にしているとみなされてしまうんです。

 

これは1960年代の話ですが、一般の人に、子供を欲しがらない女性、または子供のいない女性を

3つの単語で表現してもらうと、出てきた言葉は「幼稚」「自己愛」「神経症」だったそうです。

 

ーーー 学校の教室 ーーー

 

教授(カンデ・サンチェス・オルモス:記号学者)

 

 今日は「母親」という概念について考えます

 

 さらに「母親ではない女性」についても考えていきます

 

男子学生

 母親になるのは宿命です

 神が定めた ポジティブで自然なことです

 その宿命を罰だと感じる女性もいるかもしれません

 

女子学生

 女性は生物学上 子供を産むようにできています

 それを拒否するのは 利己的な行為だと思います

 

教授(カンデ・サンチェス・オルモス:記号学者)

 母親にならない女性は利己的

 この考えに同意する人は?

 

 遠慮しないで

 

画面では多くの学生が手を挙げる

 

女子学生

 母親になると アイデンティティが失われます

 私は マリナではなく 誰かの「お母さん」になってしまいます

 

教授語り(カンデ・サンチェス・オルモス:記号学者)

 

 私たちは共通の文化や社会の中で、慣習や行動の規範を作り、それに沿って言葉に意味を与えています。

 そして、「女性」という言葉には「母親」という意味が含まれると決めたのです。

 

 でもそのために、母親になりたくない女性は悩みます。

 自分は一般的な基準から外れている。社会に居場所がない、と感じているのです。

 

エリザベート・バダンテール(哲学者) 

 

 私たちは、なぜ子供が欲しいと思うのでしょう。

 子供を産まなければ 一人前の女性ではないと考えているからでしょうか。

 それとも 周囲のプレッシャーがあるからでしょうか。

 

 親や友達から、よくこんなふうに言われますよね。

 「あなた、35歳にもなってまだ子供がいないの?早く作らなきゃダメよ」

 

ーーー 結婚、子育ての様子を映し出したモノクロの映像 ーーー

 

ジョディ・デイ(フェミニスト活動家)

 

社会的に機能する母親を重視しているのが問題です。

母親になることに反対ではありません。

 

今は、これ以上子供を産まない女性が増えたら困るという危機感から

母性が過大評価されている気がします。

だから出産しない女性を貶めるんです。

 

小説でも映画でも、子供のいない女性は、その人自身というより

何か別のものとして描かれることが多いですね。

ほとんどの場合は 悪い女性の象徴です。

 

おとぎ話で言えば、白雪姫の継母、

ディズニー映画なら、例えば 101匹わんちゃんの悪女クルエラ。

邪悪な女性には子供がいません。

子供がいないのはつまり、社会から外れた存在だということです。

 

今、産まない女性は下で、母親は上に位置しています。

どちらも固定観念として。この2つを同等だと認識すべきなんです。

 

<つづく>