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映画館

昨日は、1年以上ぶりに映画館へ。その映画館は、車と電車で片道1時間半ほどのところにある大型ショッピングモールに入っている。どうしても映画館で観たかった、というか、DVD化されなさそうで、今しか観られないと思ったので、わざわざ遠くの映画館(県内ではそこでしか上映されていない)へ出向いたのだ。

 

観た作品は「僕たちの嘘と真実」。欅坂46のメンバーたちのドキュメンタリーだ。デビュー当時からずっとカメラで追っていたのだから、のちに映像作品としてまとめるつもりでいたのだろうか。

アイドルになろうという子たちは、誰しもが「私を見て!」というわけではないようだ。特に欅の子たちは前に出ようとはしないタイプが多い。センターを務めていた平手さんもそういう性格だったのだと思う。デビュー当初は、まだ中学生ながらセンターに選ばれた責任感もあるだろう、がんばろうと必死だったのだと思う。徐々に心も体も追いつかなくなっていったように見える。

私が、欅坂を聴くようになったのは去年(2019年)の夏頃からで、ファン歴としては1年くらいだが、発表した曲やライブDVDはすべて持っている。2017年の欅共和国という、毎年開催されている野外ライブの映像では、平手さんはアイドルを演じて見せていたが、次の2018年の共和国ではほぼ笑顔は見られなかった。この1年の間に何があったのだろうと思っていたが、曲の歌詞からみても、屈折した心理描写の主人公のストーリーが多いため、その曲の世界観を表しているようにも見て取れていたので、それほど気にはならなかった。むしろかっこいい、恥ずかしいのかもしれないが、ダンスがうまい!などと思って観ていた。

しかし、おそらくこれは推測だが、テレビなどの露出が増えるにつれ、ネット上での、正体不明の視聴者からの誹謗中傷があったのではないか。本人としては、きっとスタッフから言われたように、むしろ言われたもの以上に必死にがんばっていたのだろうと思う。それを特にファンでもない視聴者が侮辱する。中学、高校生くらいの引っ込み思案な女の子が、大人たちの言うようにやっていたのにもかかわらず、批判される。もちろんファンからの声援もあっただろうし、メンバーの間でも声をかけたりもしていたようだが、心が傷つく言葉は、脳が忘れない。上の大人たちに辞めたいと言っても、辞めさせてくれない。2019年の紅白歌合戦でパフォーマンスはやっとの思いだっただろう。これが最後だろうな、と観ていた私もそう感じていた。

 

この映像作品は、ほとんどその紆余曲折の雰囲気で進み、後半は彼女たちのこれからを感じさせるものだった。公開予定の4月からから5ヶ月間経っていて、その間に改名が発表されたため再編集したようだ。パンフレットも新しいものになっていると思う(1,100円!)。出演していたメンバーとしては、誤解を解きたい、イメージを払拭したいという希望があるようだけれど、私の印象としてはそれほど見方が変わったわけではなかった。まず、ひとりひとりが、センターのポジションを与えられたとしても、その役割を頑張って担って欲しいなと思うに至ったのみ。普段はキャピキャピしていても、曲が始まると、その作品の世界観を表現することに没頭するというギャップがあっていいのだと思う。なに坂になっても応援しています。